日本のヘアメイク

日本のヘアメイク

女性にとって、ヘアメイクは欠かせないものです。
美しさを保つために、一日に何度も化粧直しをされる方も多いと思います。
そんなヘアメイクですが、日本ではどのように推移してきたのでしょうか?

プロ塾メイクアップレッスンの生徒さんからの質問
『ヘアメイクの歴史が知りたい』とのことだったので、

今回は、日本のヘアメイクの歴史について真面目にご紹介します。

【ヘアメイクの歴史】
◎古代~飛鳥時代
日本で化粧のようなものがされていたと言われているなかで、最も古い時代は古墳時代です。
豪族の墓から出土したハニワの顔や体に、赤い顔料がペイントされていたのです。この頃の化粧は、今のようなおしゃれではなく呪術や魔除けのようなものであったと推測されています。また、お歯黒もこの頃にはあったようです。
その後、飛鳥時代になると遣隋使が大陸から持ち帰ってきた、紅や白粉、お香などが伝わり、おしゃれを意識した化粧が施されるようになります。
正倉院に伝わる絵には、宮廷で働く女性が白粉を顔に塗り、唇に紅をさし眉を太くし、額には花鈿、口元によう鈿を施した化粧姿が残っています。
この化粧姿は、中国の壁画にも残されていることから、当時の大陸の文化を取り入れていたということが窺えます。


◎平安~戦国時代世 【900~1600年代】
遣唐使が廃止された平安時代になると、大陸の文化ではなく日本独特の文化が花開いていくことになります。
その変化は、ヘアメイクにも現れました。何枚もの着物を重ねる十二単や、長く伸ばした黒髪はこの時代から始まったのです。
そして、白粉によって顔を白く強調し、眉は抜いて額の上部に描き、唇はより小さく見えるように描くという化粧になりました。
お歯黒が日本で広く習慣となったのも、平安時代だと考えられています。
また、身分や階級によって化粧の仕方が定められており、今のような自由なおしゃれではなかったようです。
平安時代が過ぎ、武家社会へと移り変わってゆくと共に、女性の化粧や身なりも変化しました。
衣服が簡略化し、長い髪は後ろで束ね、化粧は薄くなり、全体的に活動的な印象になっていったのです。
そして、この頃には一般庶民の間でも化粧が施されていたとされています。


◎江戸時代 【1600年~1800年代】
戦乱の時代が終わり、平和な江戸時代になるとさまざまな文化が花開き、化粧や装いも華やかなものへと変化していきます。
特に、女性の髪で髷を結うという習慣は、江戸初期に活躍した出雲の阿国がした若衆髷姿がブームのきっかけだとされています。
阿国のした髷姿を、江戸のファッションリーダーである遊女が真似し、そこから一般庶民へと広まり、島田髷や兵庫髷、元禄島田髷と様々な髷のスタイルが時代と共に生み出されていきました。
そしてこの頃の化粧は白粉をベースにしたもので、濃く何度も塗る厚化粧や薄化粧などの違いがあったようです。
また、一般庶民にも化粧が流通した時代でもあります。


◎明治時代 【1870年代】
江戸が終わり明治になると、西洋の文化が積極的に取り入れられ、男性は断髪されるようになりました。
そして、女性のお歯黒や眉剃りの伝統も禁止されていきました。
また、鹿鳴館ができたことによって、上流階級の一部の女性はドレスを身にまとうこともあったようです。
しかし、ほとんどの女性の服装は着物が主流であり髪型は日本髪のままが多かったようです。
明治の後期になると、女性の教育が盛んになり、知識を備えた芸妓や女学生が女性の憧れの的になりました。
明治時代は、様々なおしゃれが外国から入ってきた時代であり、最も大きく変化を迎えた時代であったかもしれません。


◎大正時代 【1910年代】
明治が過ぎ、大正になると女性の社会進出が進み、化粧や装いがどんどん変化していきました。
仕事の場で様々な人と顔を合わせるようになった女性は、相手を不快にさせないようにする、マナーの化粧を意識するようになったのです。また、女性が活動的に動くようになったため化粧品のコンパクト化が進み、健康的な顔色にする頬紅やスティック上の口紅が使われるようになったのです。そして、大正時代に代表されるのがモダン・ガール(モガ)です。
髪をショートボブまで断髪し、丈の短いスカートをはくようになります。
また、この頃から始まったヘアトレンドとして、パーマや耳かくしも挙げられます。


◎昭和初期 【1920年代】
昭和時代は、戦争の影響によって服装や化粧にも変化が訪れました。
戦前の昭和初期、モダンガールたちが都市部の中心に現れるようになります。
そして、職業婦人と呼ばれるビジネスウーマンの活躍もあり、ヘアメイクや服装によって自分らしさを表現するおしゃれの多様化も始まりました。また、化粧水などによるスキンケアなども行われるようになり、つけまつ毛やアイペンシルなど、現代に通じるおしゃれが始まったのもこの頃からです。
しかし、戦争が始まったことでおしゃれは禁止になり、ノーメイクで動きやすく慎ましやかな服装が一般化していきます。
そして、おしゃれのない空白期間を経て、戦後になるとアメリカの文化が伝わります。
また、高度経済成長期も訪れ、女性のおしゃれは再び始まっていったのです。

後半につづく

 

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